【機】デジタルパンフレット用データ(2021年)
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考古調査士資格について考古調査士資格とは 埋蔵文化財調査には様々な知識と技術が必要です。遺跡発掘に関わる調査・記録技術や安全対策、衛生管理などの管理技術、考古学的な専門知識のほか、調査成果を的確に報告書にまとめあげる技能も必要です。さらに近年では、それらを社会に向けて発信し、地域の歴史として地域住民に還元することも重要な任務になってきました。 埋蔵文化財の調査と保存・活用に関する知識と技術は、専門的な領域に属し、一朝一夕で修得できるものではありません。大学などの教育機関で、長期の時間を費やして修得するものであり、社会での実務経験が必要な場合もあります。 考古調査士資格とは、埋蔵文化財関連の知識と技術を持ち、長期にわたり訓練を積んだ人に対して与えられる専門資格です。しかし、弁護士や医師のような国家資格ではなく、民間組織が発行する専門資格で、独占的な資格ではありません。 大学などの教育機関で考古学を専門に勉強した学生や、改めて学びなおした社会人からの申請に基づき、認定機構がその内容を審査し、資格を授与します。考古調査士資格制度の目的 認定機構は、埋蔵文化財調査の実務を社会に広く伝え、社会の理解を得ると共に、資格を発行することによって、埋蔵文化財調査の実務に携わる人々の意識を向上させ、社会的地位を保全し向上させることを目的としています。 遺跡・遺物は、文化財保護法により「国民共有の財産」と位置付けられています。いままで国土開発事業に伴う事前調査として、全国で遺跡の発掘調査が多数実施されてきました。それは一般に記録保存と呼ばれる方法ですが、その業務に携わるのは大学などで考古学の専門教育を受けた人達です。埋蔵文化財の調査には、専門的な技術と知識が必要だからです。 埋蔵文化財業務に従事する人々の義務と責任を明確にし、コンプライアンス意識を向上させ、同時に社会からも高い信頼と評価を受けるために、考古調査士資格を発行します。6

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